早稲田にあるビストロManger Kawanamiはフレンチの巨匠だ。なんといっても財布の中身と相談して食べれるベストな料理を目の前で作ってくれる。シェフ的には迷惑な客に違いない。ちょーストレスがたまっている時はここで食べたがる同僚をお供にしていくことになった。
予報は雨だった。しかし、降らないだろうと予想して歩く。
出張先から急行する同僚はすでに重く黒い扉を開けていた。
カウンターから「遅いじゃん」とハモらないでほしい。
「私のはなしを聞け」
と言っているのは
逆らってはダメな怖いボスだ。
ビールから行きますか?
と聞けば「いーよ」とそっけない
答えが返ってくる。
そうなのだ。かなり機嫌が悪い。
よりによってこんな日に呼び出されるとは
運があるとしか言いようがない。
ところがだ。この店に来るとシェフが
いいタイミングで割り込んでくるから
助かるのだ。
そして、機嫌の悪い同僚はトイレに行った。
「今日も機嫌悪いな」
「やばい仕事ばかり押し付けられてるからさ」
「あ、そうなの」
カウンターに座ると
「学割で」
と一言必ず言い放つ。
「学生証を拝見できますか」
「今日も忘れた」
確実に心臓に怪我は生えている人だ。
ビールのつまみはこれからだった。
サヨリの昆布締め
昆布がいいと思う。しっかりと味が染み込んでいて
サヨリの独特な食感はコリコリしっとり。
醤油はなしでワサビだけで食べる。
大葉がさらに香りを引き立ててたまらなく
美味しい。
この一品でご機嫌がかわる同僚は実に単純だ。
このことをシェフはよくわかっている。
初夏の訪れは料理にも出てくるのである。
ラタトゥイユの季節である。
これがうまい。ズッキーニだいすき私にはたまらない。
白ワインが欲しくなったがビールを飲み続けるとなりに
合わせるのが辛かった。
白菜とイワシ 黄色はなんと人参である。
この人参ソースがイワシと抜群に合うのである。
バルサミコ酢の芳醇な香りと人参のマリアージュ。
そして、イワシ。
うまし!
見ての通りイカ刺しであるが、ソースは玉ねぎである。
この玉ねぎが抜群にうまい。一気にビールが進む。
この途中からジンビームに選手は交代した。
ホワイトアスパラガスは初夏のヨーロッパの定番である。
ドイツ、イタリアでは屋台に山積みにされていて
これを焼いて食べる。
グラタン皿に無塩バターを引く。
ホワイトアスパラガスを乗せて
パルミジャーノをかけて焼く。
あ、ホワイトアスパラガスは塩の入った
お湯に15秒だけ通す。
それから水を吹いてグラタン皿に乗せる。
チーズが焦げたら上にポーチドエッグを
乗せて食べる。
これがイタリアの田舎の料理。
Manger Kawanamiはホワイトアスパラガスを
ピクルスにしていた。
このピクルスの味に感激した同僚は
怒りのものとはどこか遠くに行っている
感じである。
ホッとしていると
「酒」と命令が来る。
「すいません」と言って注ぐ。
アルコール度数は48度だと思うが
ぐびぐび飲んでいる。
この小さなライスコロッケがなんだと思いますか。
タケノコご飯にチーズです。
ばりうまである。
魚は天然の黒鯛である。
皮がうまい。
それにガーリックマヨネーズ。
当然すべて無化調であるから
恵比寿のうるさいバーテンダーも
大満足のはずである。
チリコンである。
なぜか、ビールが飲みたくなるのは
私だけだろうか。
コロンボ警部は毎日チリコンとクラッカーと
コーヒーなのだ。
これはもう少し辛くてもよかったかな。
でも、ビールが欲しいけどジンビームモードは
変わらない。
さて、今日は特に高いもの食べてないけどね。
酒も控え気味でしたよ。
お会計は
最低記録更新
一人前6000円です。
大満足です。
連休明けは肉食系女子が参加するからな。
きっとこの2倍以上だろうか。
覚悟していこうと思う。
ちなみに、女子一人でよく食べに来てますよ。
お一人様女子にはものすごく人気のフレンチ。