アップルが「FoundationDB」を買収した。アップルが業務用ソフトウェアを買収するのはこれが初めてだ。この買収はあくまでも人材獲得という目的で行われたと考えられている。アップルはトップレベルのウェブおよびインフラ技術者を抱えるのに苦戦してきた。アップルはグーグルやフェイスブックなど膨大なデータを処理する企業に対抗しないければいけない。iTunes,App Storeなど膨大なデータがAppleにはある。
FoundationDBとはどんな会社?
MongoDB、Cassandra、RedisはDB-Enginesの多角的データベース人気ランキングで上位にランクインしているが、FoundationDBは216位中115位という結果になっている。少なくともトップレベルの会社ではない。
アップルはデータベースそのもので収益を上げようとはしていない。データベース技術者を活用して、iTunesやiCloud、その他データ処理を中心としたサービスのインフラ構築が同社のねらいだ。かなりできの悪い状況であることは間違いない。
アップルはMongoDB、Cassandra、CouchbaseのようなNoSQLデータベースを既に利用している。技術者をスカウトするよりは会社ごと買ってしまったという感じになる。アップルが社内に本格的なデータベース専門技術を確保したいかったのだ。
データベース事業からの脱却
FoundationDBの買収は、アップルがデータベース事業へと進出するために買収したのではないということだ。FoundationDBはソフトウェアの販売事業から完全に撤退しているようだ。
アップルの新時代
この買収によって本当に得をするのはアップル。アップルの開発にどう影響が出るのか楽しみだ。Cloudなどの既存のサービスから新サービスの期待ができるのである。アップル製品を支える技術が改善されるのみならず、開発者サービスも向上することになるだろう。アップルへの要望と苦情のトップはiCloudの登録メール変更、アカウント名変更ができないことだ。つまり、あなたが最初に登録したAppleIDは死ぬまで変更が着ない状況だ。この改善要望はすごい数だよ。全世界的にね。今回の買収でそれが可能になるかもしれない。実に期待したい買収なのだ。
今回の買収でアップルのエンジニアリング風土を変えることができるか否かは定かでない。しかしアップルのCEO、ティム・クックはスティーブ・ジョブズとは違う方法で経営をしている。新たなアップルは、データ・インフラ技術の改善に向けて大きな一歩を踏み出したと言えるだろう。